ムーブの引き出しとは、ネタの個数ではなく、限られた選択肢から最良のムーブを探り出す「想像力」です。その想像力はトレーニングで鍛えられます。
今回はYouTubeで、私が得意な爆速セットテクニック「床セット」を紹介しました。どんなセッターでも、どんな場面でも有効なセット方法ですので、ぜひ一度ご覧ください。
床セットは、その名の通り床にホールドを起きながら頭の中でセットを完成させてしまう方法なのですが、想像力の練習にとても効果的です。さらに、慣れてくると時間短縮テクニックとしても有効で、壁に貼って悩む時間を最小限に抑えられます。
YouTubeでは実際にライブセットで床セットをしたアーカイブを参照しながら簡単に説明していきましたが、もう一度、簡単にセットの順序を設営すると、、、
- 床にホールドを並べます (実際に使う向きで並べる)
- 壁とホールドを見比べながら床でセットする
- 1番大切な部分から、壁に貼っていく
- 試登する
- 想像と違ったり拘りたい部分を修正する
こうすることで、「結論」- 「詳細」- 「修正」の流れができます。基本的には床セットに限らず、この流れが効率的にセットをしていくセオリーです。
結論とは、「どういう課題をセットしたいのか」です。が、これがないままセットを始める人が意外と多いです。そうなると、限られたホールドの資源を使い切ることは難しいですし、時間もかかります。
床セットのメリットの1つは、あらかじめ床で「結論」を作っておくことによって、ハプニングや誤差を修正する時間が大幅に減り、効率が上がる、ということ。
また、もう一つの大きいメリットがあります。床セットは、ホールドの数が限られている場合に大活躍するのです。床で全ての選択肢(ホールド)を出しながら考えられるので、プランB やCのように修正が必要になった場合でもフォローが早いですし、課題の質を精一杯あげることができます。
シンガポールでセットした時は、オープニングセットで、ホールドの入荷が遅れてしまって、急遽近くのジムでホールドを借りてきたのですが、6カラー、3カゴくらいのホールドで、30課題以上をセットしました。あまりにも厳しい条件に帰国しようと本気で考えましたが、床セットに慣れていたおかげで、苦労しましたけども案外良い課題をバリエーション豊かにそろえることができたのは良い思い出です。
ということで、床セット。いかがでしたでしょうか。ぜひ一度、いや百度くらい、取り入れてみてください。