ルートセットの練習:擬似体験

他人のルートセットをじっと見学した経験はほとんど無いのではないでしょうか。ましてや、セット中になにを考え、どうやってホールドを選んでいるのか、どこを見ているのかなど、セッターの頭の中の声を聞いたことなどあるはずもありません。

ルートセットは選択の連続です。どんなムーブにするか、どのホールドを使うか、どこにつけるか。セッティングの練習や勉強とは、要は、その選択方法を学ぶことです。

選択方法を学んでいるというのに、実際のセッターがどうやって何を考えて選択をしているかを見たことが無いというのは非常に大きな問題です。ここらへんに、危険な課題を作ってしまったり、基礎と真逆のセッティングをしたりしてしまう原因があると思うのです。

動画

ということで、ルートセット中の頭の中がどうなっているのか、実際にどういうことを考えながらセットをしているか、という動画を作ってみました。

一連の流れがちゃんと伝わるようにノーカットです。あまり長くならないようにスピード重視でやっています。変な部分があったり納得できないことがあればサポートしていきます。

擬似体験で”知る”、ルートセットの基礎

いろんな講習をしてきて、ルートセッティングは、教わるものではなく、自分で構築するものなんだなとつくづく思い知らされてきました。それはセッティングに必要な知識や技術、理論や考え方、対象と求められる内容などが、他の仕事に類を見ないほどに多様で複雑だということが1番の理由です。

その多様な要素を、一つ一つ教えることは不可能です。ですから、1つの練習から自分で要素を噛み砕いて理解し、吸収していかなければならないのです。しかも、その多様な要素の中で、「こうしたら、こうなる」、「こういう場合は、こうする」といった決まり事、方程式のようなものが、ほとんどありません。なぜなら、対象や場面によって変化するパラメータが多すぎるのです。

さて、そのような多くの複雑で抽象的な技術や理論を、体系的に身につけるには「基礎」を学ぶのが1番です。

ルートセッティングの基礎とは、インパクトの使い方やホールドの付け方のことではありません。ホールドの選び方であり、動きのメカニズムであり、自身のクライミングの把握能力であり、トレーニングの基礎知識です。どんどん因数分解して、噛み砕いてシンプルにしていきましょう。これらの基礎は、誰でも体系的に学ぶことができます。

宣伝っぽくなってしまってアレですが、まずは精進ホールドを使って、この動画を完全にコピーしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。どういう触り方でホールドを選んでいるか、どういう目線で次のホールドを位置を探っているか、、、、125-135度の壁とShojinholdがあればできます。

同じホールドを触りながら擬似体験をする。これに勝る練習は無いかもしれません。

この動画を使った練習

このセットの流れ、このホールドの付け方、選び方をそのままコピーしてみてください。僕になりきってもらって、僕がどういう感覚でどのホールドを選んでいったか、擬似体験してみましょう。

あなたがまだ基礎の練習の初心者だったら、それを何も見ないでできるようになるまで、とことんコピーしたらいいと思います。で、一個だけ違うホールドにしてみるとか、1穴だけ位置をずらしてみましょう。それでどう変わったか、ちゃんと考えてメモを残しましょう。

あなたが、基礎についてある程度知識と経験があったら、ホールドの選び方や、付ける位置などの(僕とあなたの)感覚の違いを大切にしてください。そして、なぜそうなのかを徹底的に検証してみると良いでしょう。今まで気づかなかったらいろんな要素に出会えるでしょう。

今回使ったホールド

Shojinholds Theoryシリーズ

ホールドご購入者にはEメールやzoomなどを使ったサポートや、初回限定割引などの特典をご用意しています。

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